ハナリハデザインのルーツ
ハナリハデザインは、誰でも起こりうる偶然の出来事からの問いかけから始まりました。
コンピューターネットワーク機器の会社で働いていた時、父が、脳出血で倒れたとの一報を、
千葉のテスティングセンターで受け取りました。
高校の体育教師であった父が、その授業中に倒れたのでした。
数ヶ月のリハビリテーションセンターでのリハビリの後、「体育教師としての
復帰は不可能である」とのことが、医師が学校へ提出した診断でした。
何か違うと直感しました。そして、その違和感を明らかにしてくれたのが、パラリンピックの存在でした。
その後、担当の医師、教頭先生を交えた会議の中で、その身を震わせながらこう切り出したのでした。
「明記していただくのは、身体的にここまでなら出来るとういうことではないでしょうか。
体育教師として、一緒に走ったり飛び跳ねたりはできないが、指導はできるのです。
また、パラリンピックという場で、障害者が、走ったり泳いだり立派にスポーツしているのです。
そして、片麻痺という障害者が身近にいて、実際に先生として仕事をしている姿を見せる、
これは、障害者になった父にしか出来ない、素晴らしい教育ではないのでしょうか。」
かくして、創業者の父は、4月より教壇に戻り、右手が全く挙がらないため利き手交換の左手でチョークを握り、
右足には装具という姿で、立派に定年まで勤め上げたのでした。いまは、障害者の自立を支援するNPOを立ち上げ、
地域社会の中で、その長年の教師としての経験、そして障害者としての経験を活かた活動をしています。
コップに半分入っているのと半分空であるのとでは、量的に同じである。
もし、この認識の変化が生じても、事実は変わらない。起こるのは意味の変化である。そして、とるべき行動が異なるのです。
このことを、全身全霊で体験した出来事でした。
世の中の認識が、半分は入っているから半分空であるに変わるとき、イノベーションの機会が生まれる。
そう信じて福祉用具の世界に飛び込み、すぐに、
福祉用具の世界の
現実にあるものと、かくあるべきものとの大きなギャップに愕然とされました。
山を愛し、川を愛し、カヤックにテント、食器を積み、獣の足跡のついた川辺にテントを張って、
旅をすることを好んでしています。本当の自然を感じるんだと出かけます。そして、人間、最低限これだけあれば、生きていけるんだと。そして、人間は大自然の大きな流れの中では、無力な小さなカケラなんだと感じ、また、その中でも心底楽しめる特別なカケラなんだと思いを新たにします。
植物は、土から生まれ、芽を出し、葉を広げ、そして、精一杯の花を咲かせ、そして、大地に子孫を残す。
その、土壌や、気候天候、様々な要因により精一杯の様々なカタチとなる。昔から人間はその姿に惹かれるものです
それは、同じ地球上の生物である人間も同じなのかもしれません。
花を咲かせよう。
そんな気持ち、願いを持って、「ハナ」リハデザインという名前を付けられました。